
泌尿器科
泌尿器科
2023年8月より泌尿器科診療は、毎週水曜日と土曜午前のみの診療に変更となります。
当院では下記のものは行っておりません。
水分の調節と同時に老廃物の排泄をするはたらきをもつ腎臓に始まり、尿管、膀胱、尿道へと連なる尿路、および前立腺などの疾患を中心に治療します。
対象となる臓器の形態が男性と女性とではかなり異なるため、泌尿器科で扱う疾患には、男性だけの病気と女性に多い病気のそれぞれがあるのが特徴的です。
泌尿器科の診療範囲は幅広いのですが、具体的な疾患としては、膀胱炎、尿道炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)、前立腺炎、精巣上体炎、前立腺肥大症、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)、性感染症(クラミジア感染症、淋菌感染症、尖圭コンジローマなど)、腎細胞がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍、など挙げられます。
原因を確認し、患者様の状態に合わせて治療を行います。
腎臓及び前立腺の精密検査が必要な場合、当院にて即日行うことも可能です。
症状がなく性病が心配な男性向けに「泌尿器科性病検査セット」ご利用いただけます。
女性の方でご希望の場合は「婦人科の性病検査(自費)※予約制」を受診ください。
採血と尿検査の簡単な検査になります。結果は郵送となります。
金額
16,500円(税込み)
セット内容
淋菌・クラミジア・梅毒・HIV・HBS抗原・HCV抗体
保険診療で定期的にPSA検査を行う方も、さいたま市の「前立腺がん検診」使用可となります。
尿失禁
尿失禁は、40歳以上で4割の方が経験しているといわれており、トラブルを抱えて悩んでいる女性も少なくありません。
尿失禁は自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう症状で、「切迫性尿失禁」「腹圧性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性尿失禁」に分類されています。切迫性尿失禁は、急に襲われる切迫感のある尿意があり、我慢できずに漏れてしまうという症状です。排尿コントロールがうまくいかず、トイレに駆け込む事態が生じ、外出や乗り物の移動中に困ることがあります。腹圧性尿失禁は女性の尿失禁の中で最も多く、咳やくしゃみ、笑ったときや重い荷物を持ったときなど、お腹に圧力がかかったときに尿が漏れてしまう症状です。骨盤底の筋肉の緩みが原因で、妊娠や出産、加齢などを契機に発症します。このほか、尿を排出したいのに出せず、少しずつ漏れてしまう溢流性尿失禁や、認知症や運動機能の低下が原因で起こる機能性尿失禁があります。
尿失禁は、状態や症状に応じて治療と対策方法があります。
頻尿
尿が近い、トイレの回数が多い場合は、頻尿と呼ばれる症状かもしれません。
頻尿とは、一日のお小水の回数が8回以上、あるいは就寝している間に2回以上お小水に行く(夜間頻尿)場合に頻尿と考えられています。
回数だけではきめられず、一日8回以下の排尿回数でも、ご自身で排尿回数が多いと感じているときは頻尿といえます。
人により尿の近い時間帯も異なります。若い人の場合、大抵は夜間にトイレに起きることはありませんが、40歳以上になると約4,500万人の人が夜間1回以上、排尿のために起きるといわれています。
過活動膀胱
膀胱は正常であれば300‐500mlくらい尿をためることができます。
尿は腎臓から常時流れてきますが、膀胱が尿を貯めるときは脳から脊髄を介して尿を貯めるように神経が働きます。膀胱に300-500mlくらいの尿がたまると膀胱が引き伸ばされ尿意(おしっこをしたい感じ)を感じることになり、我々はトイレへいき排尿します。しかし膀胱が敏感な人がいて、尿が膀胱に十分にたまっていないのに、急激な尿意やがまんできない感じ(切迫感)を感じることがあります。さらにがまんできずに漏らしてしまう場合もあり、このような状態を過活動膀胱といいます。過活動膀胱は中高年の女性や男性の場合でも前立腺肥大症に合併することもあります。最近は過活動膀胱に対して有効な薬がたくさん出てきています。このような薬を服用しても症状が改善しない場合は他の疾患が隠れている可能性を考えて精密検査を行わなければいけないこともあります。
前立腺肥大症
前立腺肥大症とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を来たす病気です。
前立腺肥大症の主な症状
健康なときには無意識に済ませていた排尿なのに、
これがスムーズにいかなくなることで、日常生活に大きな支障をきたします。
前立腺炎
発熱などを伴わない会陰部不快感、会陰部痛、頻尿症状、残尿感、陰茎痛が主な症状です。原因は多種にわたると言われ、なかなか治療が効かない場合もあります。
しかし生活習慣の見直しや根気強くいろいろな治療を試すことで自分に合う治療法に出会えることも少なくありません。慢性前立腺炎もしくは慢性骨盤痛症候群でお悩みの方は当院を受診してみてください。
前立腺炎の主な症状
尿路感染症
尿路に細菌が棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を尿路感染症と言い、感染場所によって膀胱炎と腎盂腎炎、前立腺炎、副睾丸炎などに分類されます。
細菌は尿道の出口から侵入すると言われていますが、他の経路(血液から入る)の可能性も考えられています。
急性膀胱炎(男性は尿道炎)
膀胱炎では排尿時痛、残尿感、頻尿などの症状、場合によっては血尿を伴うこともあります。
尿道に通過障害がある場合は発熱を伴うこともあります。尿検査を行うことで診断が可能です。治療は抗菌薬の服用です。膀胱炎にかかりやすい方は他の疾患が隠れている可能性もありますので一度精査をお勧めします。
急性腎盂腎炎
腎盂腎炎では炎症の起きている腎臓がある側の側腹部から背部の痛み、発熱を伴います。痛みを感じない場合も多く、その場合は発熱のみの症状となります。
咳、咽頭痛などの風邪症状を伴わないのに熱のみが認められる場合は腎盂腎炎の可能性を考える必要があります。身体所見、尿検査、血液検査で診断が可能ですが、場合によっては超音波、CTなどの検査が必要となります。この場合も抗菌剤による治療が必要です。場合によっては入院治療が必要なこともあります。尿管結石に合した急性腎盂腎炎では最近が身体中にばらまかれ、細菌から毒素が放出されると敗血症からショック状態という危険な状態になります。緊急処置が必要となるためなるべく早期に診断、治療が必要となります。また、細菌が腎盂で増殖すると腎盂腎炎を起こします。
急性前立腺炎
前立腺炎は急性の場合の多くは細菌による感染で、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状を伴います。
男性で排尿痛や頻尿症状と共に発熱を生じる場合は急性前立腺炎の可能性が高く、早急な治療が必要ですのでなるべく早く受診してください。
急性精巣上体炎
精巣上体に細菌感染が生じると、左右どちらかの精巣、もしくは精巣周囲が急激に腫れ発熱と精巣痛を伴います。
この場合もできるだけ早急な治療が必要となりますのでなるべく早く受診してください。
神経因性膀胱
尿は膀胱と尿道がうまく連動して働くことによって排泄されます。
これらを働かせるためには、命令を伝える神経がしっかりしていないとうまくいきません。
この神経が、脳梗塞、パーキンソン病、子宮がんや直腸がん手術の後遺症などにより障害を起こしたり、けが(脊髄損傷など)をしたりして神経障害を起こして、排尿がうまく出来なくなった状態を神経因性膀胱と言います。放置すると尿路感染や腎機能障害などを引き起こすことも少なくありません。
前立腺がん
前立腺がんの罹患数は急増しており、日本人の男性の罹患するがんの中で胃がん、肺がんを抜いてトップになりました。
欧米人に多く発生しますが、日本でも食の欧米化に伴い増えていると考えられています。
前立腺がんは末期になっても症状がでないことがありますので早期発見が重要です。血液検査で前立腺特異高原(PSA)を検査することでがんの可能性の有無を調べることが可能です。50歳以上の方はPSAの検査をお勧めします。当院ではPSA測定、直腸診、MRIなどを行い、精査いたします。※50~80歳の男性につきましては、さいたま市の検診として扱えます。
腎・尿管結石
腎臓内に生じた結石を、腎臓結石(腎結石)と言います。出来る場所によって、腎杯(じんぱい)結石、腎盂(じんう)結石などに分かれ、それらが大きくなったものをサンゴ状結石と呼ぶこともあります。腎臓内にある場合は痛みが無いことがほとんどですが、たまに血尿を認めることがあります。しかし、結石が腎臓から尿管に移動し、尿管に詰まると、腰から背中にかけての激しい痛みなどを引き起こします。この状態を尿管結石といいます。
膀胱がん
腎臓でできた尿は腎盂に集められ尿管を通り膀胱へ運ばれ貯められます。腎盂、尿管、膀胱の表面は同じ移行上皮で覆われていますが、これらの細胞にがんができることがあります。痛みなどの症状を伴わない血尿が出た場合は膀胱がん、尿管がん、腎盂がんを疑い検査を行う必要性があります。その後血尿が止まると治ったと思い放置し、2回目、3回目でようやく検査に訪れる場合があります。血尿があった場合はなるべく早く専門医を受診してください。
性感染症
性感染症は、性行為によって感染を起こす病気の総称です。
以前は性風俗店などでの不衛生な性行為による感染が多かったのですが、最近は、傾向として不特定のセックスパートナーとの性交渉やセックスの多様化などにより、広まりを見せています。
また、風邪のように喉が痛い(咽頭炎)などの症状で性感染症が発見されるケースも見られるようになり病状は多様化しています。
代表的な性感染症は、淋病、クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎)、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、エイズなどです。思い当たる節のある方(症状のない方は自費診療となります。)や、パートナーが性感染症にかかっている方は早めに専門医の検査と適切な治療を受けることが早期治癒への大事な一歩です。
更年期障害は、女性だけでなく男性にも起こることがあります。
男性更年期障害が起こる時期は個人差が大きく、男性ホルモンの低下が始まる40歳以降は、どの年代でも起こる可能性があります。男性ホルモンは全身に作用し、筋肉や骨を強くする、性機能を正常に保つなどの働きがあるほか、判断力や理解力などの認知能力を高める役割を果たしています。男性ホルモンの働きは多岐にわたるため、低下するとさまざまな症状が現れます。男性の更年期障害に深く関わっているのが、男性ホルモンのテストステロンです。テストステロンは、脳からの指令を受けて精巣で作られ、血液中に分泌されています。
心の症状
体の症状
心の症状には、興味や意欲の喪失、眠れない、イライラ、不安、憂うつなどがあります。
一方、体の症状には、関節痛、筋肉痛、発汗、ほてり、疲れやすい、肥満、頻尿、性機能の低下などがあります。心の症状のなかには、うつ病と共通するものがありますが、うつ病では痩せることが多いのに対して、更年期障害では太るのが特徴です。男性ホルモンには、肥満を抑える作用があるため、低下すると、食事や運動量など生活習慣が変わらないのに、太りやすくなります。
男性更年期障害と診断されると、まず男性ホルモンの低下を防ぎ、分泌を高めるために生活環境の見直しを行います。ポイントは、競い合う、運動、睡眠、ストレスをためないようにするの4つです。
1.競い合う
ゴルフやテニスなどのスポーツをする、囲碁や将棋のようなゲームをするなど、仲間と競い合うようにすることで、男性ホルモンが分泌され、症状の改善が期待できます。また、展覧会に作品を出品する、カラオケをするなど、人から評価される趣味をもつことも有効です。
2.運動
運動して体の大きな筋肉に刺激を与えると、男性ホルモンの分泌が増えることがわかっています。腕立てやスクワットなどの筋力トレーニング、階段の上り下り、少し息切れするくらいの速さで歩くなどの運動を、毎日10分程度でもよいので継続することが大切です。
3.睡眠
男性ホルモンは朝に高くなり、夕方に低下するという特徴があります。これは、眠っている間に男性ホルモンが分泌されるためです。不眠症などで十分な睡眠がとれなくなると、男性ホルモンの値が低いままになってしまうので、しっかりと睡眠をとってください。
4.ストレスをためないようにする
過剰なストレスがかかると、精巣で男性ホルモンを作る能力が落ちてしまいます。ゆっくり入浴する、休日に遠出して温泉につかる、趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法をもつようにしてください。
漢方薬
男性ホルモンの値がそれほど低くない場合や、症状が軽い場合は、漢方薬や症状に応じた薬を使って治療していきます。男性の更年期障害で使われる代表的な漢方薬は補中益気湯[ほちゅうえっきとう]で、だるさ、気力がない、疲れやすいなどの症状に有効です。
症状に応じた薬
うつ症状や不安症状など、心の症状がある場合は、抗うつ薬、抗不安薬などを使うことがあります。また、男性ホルモンが低下すると骨が弱くなってくるため、骨粗鬆症薬を使うこともあります。さらに、勃起力や性欲が低下するなどの性機能に関わる症状がある場合は、ED治療薬が処方されます。
男性ホルモン補充療法
男性ホルモンの値が著しく低下して、症状が重い場合は、男性ホルモン補充療法を行います。現在、保険診療として認められている治療は、テストステロン製剤の注射で、2~4週間に1回、腕やお尻に注射します。
ただし、テストステロンを補充すると、精子を作る機能が抑制されて、男性不妊を起こすおそれがあります。そのため、将来子供を希望する場合には、hCGホルモンでテストステロンの分泌を促します。hCGホルモンは原則、1週間に1~2回注射します。
注射による男性ホルモン補充療法は、3カ月程度行って効果を見ます。効果がある場合には、1年を目安に補充療法を継続していきます。補充療法は、約6割の患者様で効果が見られます。効果がない場合は、うつ病など、ほかの病気が疑われます。その場合は、精神科などでの治療が検討されます。
急性膀胱炎と思われます。受診して抗生物質を内服してください。
急性膀胱炎と思われます。受診して抗生物質を内服してください。
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